40代後半くらいから、更年期という言葉に敏感になってしまい、なにか身体に不調を感じると、更年期かしらと思ってしまいます。
そもそも更年期とは、なんなのでしょうか。
更年期とは
更年期とは、女性のライフサイクルの一つの呼び名です。
閉経の前後10年間が更年期といわれる時期です。
女性にとって初潮と閉経は避けて通れないものです。
初潮を迎えるころから閉経まで、女性には女性ホルモンが分泌され、月経と排卵が規則的に行われ、身体的・精神的な状態に大きく影響を与えます。
閉経を迎えると、分泌される女性ホルモンはゼロに近づきます。
女性のライフサイクルは、女性ホルモンの分泌状態に応じて、いくつかの時期に分けられます。そのひとつの時期が更年期なのです。
あなたはいまライフサイクルのどの時期でしょうか
女性のライフサイクルは、年齢に応じた女性ホルモンの増減にしたがって、5つの時期に分類されます。女性ホルモンには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類がありますが、特に卵胞ホルモンが大きく影響します。
女性のライフサイクル
①幼年期(0歳~8歳)
②思春期(8歳~18歳)
③成熟期(18歳~45歳)
④更年期(45歳~55歳)
⑤老年期(55歳~)
①幼年期
性的な発育を促す刺激ホルモンが分泌されません。体つきも男女差はありません。
②思春期
8歳くらいを過ぎると、卵胞刺激ホルモンの分泌が増えて、女性らしい体になってきます。
次第に卵胞ホルモンの分泌が始まり、10歳から14歳くらいの間に初潮を迎えます。
はじめは無排卵ですが、15歳から18歳くらいまでには、定期的な月経と排卵が起こるようになり、妊娠が可能になります。
③成熟期
卵胞ホルモンの分泌が順調になり、性機能が充実し、心身ともに女性として安定します。結婚、妊娠、出産、育児に関わる時期となります
④更年期
卵胞ホルモンの分泌が減り、月経が不順となり、やがて月経がなくなります。
月経が1年なくなったら閉経となります。
閉経が起こる前後の5年間くらいを更年期と呼びます。
閉経の時期については、日本人の平均年齢は50歳といわれています。
目安として45歳から55歳ですが、個人差があります。
この時期はホルモンのバランスが崩れ、身体や心に不調が出やすくなり、いわゆる更年期障害と呼ばれます。
⑤老年期
卵巣からの卵胞ホルモンの分泌がほとんどなくなります。
副腎皮質が少量の卵胞ホルモンを作ります。
更年期と老年期の切り替わる時期は閉経がポイントになりますが、個人差がありますので、いつどうこうとはっきり区別がつきません。
40代前半で閉経する方もいれば、60代になっても月経がある方もいます。
老年期というと、なんだか急に年をとった気になりますが、よく考えると、女性の平均寿命は87歳です。
平均的な老年期の始まり55歳からですと、残りの人生は32年もあります。
昔と比べて、人生は長くなり、身体は若く保つことができるようになりました。
まだまだ元気で美しく過ごすことができます。
閉経時期に起こる「ホルモンの乱れ」の正体とは
「ホルモンバランスの乱れ」。30代以降の女性が体調が悪いときに、だいたいこの一言で片付けられてしまうほどの、オールマイティな不調の原因です。
女性ホルモンは2種類
卵胞ホルモン(エストロゲン)
黄体ホルモン(プロゲステロン)
この2つのホルモンが女性の月経の周期にあわせて分泌されます。どちらも女性の妊娠、出産にとって大切なホルモンです。
ホルモンのバランスが崩れる理由
ホルモンが分泌される仕組み
命令を出すのは脳の視床下部
ホルモンを実際に出す部位は卵巣
命令を出す脳と実際にホルモンを出す部位との連係がうまくできていないと、ホルモンバランスが乱れてしまいます。
視床下部と卵巣の関係は上司と部下の関係に似ています。
上司である視床下部は命令を出して、部下である卵巣が仕事をします。
40代に入ると卵巣の働きが落ちてきて、女性ホルモンの分泌量が減ってきます。
女性ホルモンが減ってきているので、視床下部はどんどん命令をだして、ホルモンを分泌させようとします。
視床下部が命令を出しても卵巣のホルモンは分泌されないので、パニック状態になり、自律神経まで乱れてきます。
上司がいくら命令しても部下が働かないので、上司がパニックになってしまうのですね。
パニックになってしまった上司は、他のお仕事にも支障が出てきます。
視床下部には他にも自律神経をコントロールするという大切な役割があります。
このお仕事も順調にいかなくなってしまいます。
そこで、自律神経も乱れてしまい、頭痛やめまい、のぼせや冷え、イライラなどのトラブルが起こってきます。
◆ 卵巣の働きが落ちる
→ 女性ホルモンが減る
→ 視床下部がパニックになる
→ 自律神経が乱れる
→自律神経失調症と同じような不調がでる
という流れが「ホルモンバランスが乱れていろいろな不調がでる」ということです。
若くても、加齢によってではなく、なんらかの原因で卵巣の機能が落ちて女性ホルモンが分泌されない場合、視床下部がパニックになり、更年期と同じような状態になります。
「プレ更年期」などと呼ばれます。
まとめ
50代からは、自分の身体に起こっている変化を知り、アンチエイジングの対策をしていくことが大切です。ただし、いろいろやっているのに年齢より老けていく方や、あまり努力をしていないのに、若さを保っている方もいます。
あまり努力をしていないのに若々しい方も、お話を伺うとなるほどと感じる理由があります。効果的なことを上手に実行しているのです。
身体と心の老化を遅らせて、若々しくいるためにも、効果的な習慣を身につけていきましょう。