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皮膚の役割について(エステティシャンのための解剖生理学)

皮膚の役割

美容に欠かせないお肌のお手入れ。
お肌をよい状態に保つことが、アンチエイジングにも大切です。
そこで、肌=皮膚の機能について知っておくとよいですね。
この記事では、皮膚の機能について説明します。

皮膚について

皮膚も身体の臓器の一部です。
生命の維持に欠かせない機能を果たしています。
皮膚の面積は、個人差があるのですが、平均すると、160㎝×160㎝と言われています。
目安としては、畳1畳分くらいです。

重さは体重の約16%を占めています。

厚みは1.5㎜~2.2㎜(部位によって違います)

皮膚の構造は3層

1 表皮
2 真皮
3 皮下組織

●表皮の上、一番表面には皮脂膜(酸性保護膜)があります。

肌の構造については、別の記事で詳しく説明します。

肌の機能

① 保護作用(外界の刺激から保護)
② 体温調整
③ 排泄
④ 吸収
⑤ 体内の保護
⑥ 知覚

① 保護作用

・機械的な力に対する保護作用
表皮角質層がケラチンというたんぱく質を作りだし、圧迫や摩擦などが加わっている部分を守ろうとします。皮膚が厚く覆われて固くなります。
靴ずれによるマメが出来るのはこの作用です。

・細菌に対する保護作用
   皮膚の表面にある皮脂膜(酸性保護膜)は弱酸性です。PH4.5~6.5です。
   酸に弱い細菌やカビが肌についても、繁殖しないようにして肌を保護しています。
   皮脂に含まれる脂肪酸と、汗に含まれる乳酸やアミノ酸の働きで弱酸性を保っています。アルカリ性の石鹸で洗っても、しばらくすると肌の表面は弱酸性に戻ります。
お肌を弱酸性に保つ働きを「アルカリ中和能」と言います

・水分が失われるのを防ぐ
皮脂が天然のクリームとなって、肌表面の乾燥を防いでいます。
肌のつや、滑らかさを保っています。
ただし、皮脂が過剰になると、ニキビなどのトラブルにもなります。

・紫外線に対しての保護作用
紫外線の刺激は細胞に悪影響を及ぼします。肌の老化、乾燥、しわ、くすみなどを引き起こします。表皮にあるメラニン色素の働きで、このような紫外線の害を防いでくれます。

② 体温調整機能

体温は36度~37度とほぼ一定に保たれています。
皮膚や暑さや寒さなどの外気から刺激に対して、体温の変化を防ぐ役割があります。

暑いときは、血管を拡張させて、体温を発散します。また、汗をかくことにより、体を冷やしてくれます。

寒いときは、皮膚の血管や立毛筋を縮小させて、体温の拡散を防ぎます。
立毛筋が縮小すると「鳥肌が立った」状態になります。
発汗も減少します。

③ 排泄作用

体内の老廃物を汗腺から汗として、体の外に排泄させます。
腎臓の機能が低下したときに、機能を補うために尿素の排泄を行います。
また、ニンニクやスパイスなどのように、臭いの強い成分を排泄します。

④ 吸収作用  

ある種の成分や気体は、皮膚を通じて体に吸収されます。(経皮吸収)
ホルモン軟膏(貼るタイプのホルモン剤)など、また有害なニコチン、水銀も経皮吸収されます。

⑤ ビタミンDの生成

皮膚は太陽を浴びると、ビタミンDを生成します。
ビタミンDは骨の生育や維持、免疫作用の保持、病気予防に必要です。

⑥ 知覚作用

触覚や痛覚、温覚・冷覚、かゆみなどを感じて脳に伝える働きがあります。
指先や唇は他の部位よりも知覚受容体が多くあり、敏感になっています。
痛み、接触、冷え、温いのうち、痛みに最も敏感です。

まとめ

皮膚の機能についての勉強は、エステティシャンにとって必須になります。
エステティシャンではなくても、知識として、知っておくとよいですね。

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